いきなりですが、ガンダムのトリコロールカラーって…
めちゃくちゃカッコよくないですか??
子どもの頃はただ「カッコいいから!」で済ませていたこの色合い。
でも、大人になって塗装をし始めて…
「この色を増やしたら、もっとカッコよくなるかも」
「この部分、別の色に変えてもいいんじゃない?」
……カッコよくなると思って塗ってみたら、あれ?なんか違う…?(´;ω;`)
同じ色を使っているはずなのに、まとまりがなく見えたり、
ちょっとしたアレンジのつもりがゴチャつきに見えたりする…
なぜなんでしょう?
それはガンダムの配色が思いつきやセンスではなく、”理屈”で組み立てられているからなのです!
赤・青・白の絶妙なバランス
ガンダムの配色は、ただ色を組み合わせているわけではありません。
それぞれの色が「どれくらいの面積で使われているか」まで計算されているんです。
たとえば、RX-78-2(初代ガンダム)の代表的な配色バランス(盾も含めて見ると)はこんな感じ。

- 白 :約70%(主色)
- 青赤:約25%前後(副色)
- 黄 :約5%(アクセント)
このように、配色には「役割」と「比率」があるんですね。
細かく見て見ると…
色 | 面積 | 主な部位 | 役割 |
---|---|---|---|
白 | 約70% | 腕・脚・顏 | 主色(ベース) |
赤 | 約20% | 足・腹・盾 | 副色 |
青 | 約5% | 胸部 | 副色(引き締め) |
黄 | 約5% | 胸ダクト・腰スカート | アクセント(視線誘導) |
※ 武器や関節、シールド裏などに使われるグレーは、配色バランスの“土台”として機能しますが、今回は主に「視覚的な主張を持つ色」に絞って解説しています。
これらの比率があることで、全体がまとまって見えるんですね。
そしてこの「まとまり」こそが、見た目の説得力=“カッコよさ”につながっています。
黄金比=主・副・アクセントの魔法
ココまで見て来た色の比率、実はこれ…
”黄金比”
それは、見る人に「美しくまとまっている」と感じさせる、人間の感覚にフィットするバランスなのです。
この黄金比、建築や絵画、プロダクトデザインなどでよく語られますが……
実は、配色にも黄金比があるんです!
その基本が、これ
主色:副色:アクセント = 70:25:5
この法則に沿うことで、配色にメリハリと統一感が生まれ、
見る人に「まとまっているな~」と感じさせることができるんです。
RX-78-2の配色をもう一度見てみましょう。
- 白 :約70%(主色)
- 青赤:約25%前後(副色)
- 黄 :約5%(アクセント)
……ピッタリ!!
そう、ガンダムは色の黄金比を体現した配色デザインなんです。
これは私の想像ですが…
アニメという”ビジュアル”で戦う媒体だからこそ、
主役機には「誰が見ても印象に残る」そんな機体が必要だった。
だからこそ、視覚的な説得力のある配色バランスが選ばれたんです。
そしてこの比率は、
自分の塗装にもそのまま応用できます!
「なんか浮いてる色がある…」
「全体的にまとまりが出ない…」
そう感じた時は、
まずはこの70:25:5の黄金比に近づけてみることで、作品の印象がガラッと変わるかもしれません!
他のMSにも応用されている?
ここまで読んで
「なるほど、ガンダムの配色って理屈でできてたのか~」
と思ったあなたへ。
他のモビルスーツもちょっと気になりませんか…?
実は多くのモビルスーツにおいても、
黄金比、もしくはそれに近い配色構成が活かされているんです!
たとえば…
グフ

- 主色 :青(約70%)
- 副色 :濃紺+グレー(約25%)
- アクセント:腹部やモノアイ等(約5%)
緻密な濃淡の配置設計
一件単色系に見えるが、青の濃淡で「主・副」を使い分け明度差をつけて立体感を演出している。
全体の印象が存在感や重厚感を強く感じるのは、このトーンの統一と配色比率の効果!
個人的には、緻密な濃淡の配置設計により
「色数が少ない」=「まとまりやすい」ではないを体現している至極の機体…
ガンキャノン

- 主色 :赤(約70%)
- 副色 :濃いグレー(20~25%)
- アクセント:顏・胸部(約5%未満)
派手なのにうるさくない
赤は「派手な色」なのに、広範囲に使っていても破綻していないのは、副色の濃いグレーが引き締め役としてしっかりと機能しているから。
さらにアクセントを配置することで、視線がブレず、印象に残りやすくなっています。
色の比率と役割分担をしっかりして「派手なのにうるさくない」を実現している。
ユニコーンガンダム

- 主色 :白(約70%)
- 副色 :サイコフレーム(赤or緑20~25%)
- アクセント:黒・グレー系(5%~10%)
印象の支配率が異常に高いアクセント効果
全身がほぼ白で構成されているのに…
「光るフレーム」が視線を奪う!
フレーム部分が見えるのは関節部などに限られるのに対して、
サイコフレームは面積的に20%近く使われており、白い装甲と並ぶ副色ポジションですが、発光という演出によって、印象の支配率が異常に高いアクセント効果も担っています。
”主色の静”と”副色の動”が共存するバランスは、ユニコーン独特の神秘性や特別感を演出しています!
ユニコーンモードは…

- 主色 :白(約90%以上)
- 副色 :グレー(10%未満)
- アクセント:……
黄金比が崩れた状態
一方でユユニコーンモードでは白が面積も明度も圧倒的に支配していて…
”のっぺり”した印象に…
色のメリハリもないため、視線誘導も起きない…
副色・アクセントの存在感が極端に薄いため、
「まとまり」はあっても印象には残りにくい機体。
ユニコーンモードは、色彩的に言えば「主色100%の単色機体」
まさに”黄金比が崩れた状態”なんです。
でも……
でも、それが“演出”としての正解でもある
ユニコーンモードの配色が「地味」「映えない」と感じられるのには、実は深い“意図”があります。
人の印象は、「変化」に強く反応するもの。
最初から派手で目を引く配色では、後に現れる劇的な変化がかすんでしまう。
だからこそ、あえて“物足りなさ”を感じさせる白一色の姿で登場させているんです。
視覚的な情報量も最小限に抑えられたこのモードは、
「まだ本気を出していない」
「内に秘めた力がある」
そんなメッセージを、“色”だけで伝えていると言えるでしょう。
そして何より注目すべきは、黄金比。
ユニコーンモードは、白が約90%を占め、残りの色がわずかに添えられるだけ。
本来配色に必要な主・副・アクセントのバランス(黄金比)が、意図的に崩されています。
それが、変身によって一変する。
サイコフレームが姿を現し、赤や緑の発光が副色・アクセントとして爆発的に解放される。
“色の偏り”が“バランス”へという演出を入れることで、見る者に強烈な印象を残すのです。
まとめ:魅せる色には「役割」がある
ガンダムの配色が美しく見えるのは、
- 「どの色を主役にするか」
- 「どの色で全体を引き締めるか」
- 「どの色でアクセントを作るか」
それぞれに”役割”が与えられているからです。
色には“役割”があり、
その役割を意識したとき、配色は「ただの色」から「意味のある色」へと変わります。
黄金比(70:25:5)は、その役割をうまく割り振るためのガイドライン。
■主色(ベース)
→全体の印象を決める土台。落ち着きと統一感をつくる
■副色(引き締め役)
→主色とのコントラストで、立体感・シャープさを演出
■アクセント(視線誘導)
→少量でも印象的な色。ワンポイントで作品にリズムを加える。
このバランス感覚を意識するだけで、あなたの塗装も見違えるように整って見えるはずです。
「魅せる色」には、しっかりと理由と役割があるんです。
次回も…
何かガンプラ作成に役立ちそうなマメ知識を書いていこうと思います。
拙い文章ですが…最後まで読んでくれてありがとう(/・ω・)/
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