
どうも、当サイト管理人のりりえもんです。
今回はMr.HOBBY/GSIクレオスから販売されているMr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢を使い、
5種類の下地色に塗装 → [光沢/半光沢/つや消し]でトップを重ねて、
発色と質感の違いや、乾燥による見え方の変化を検証しました。
私の主観になりますが、今回の検証での印象としては、
乾燥やトップコートによる変化が激しく、
塗装設計なしで”なんとなーく…”塗り始めてしまうと、仕上がりが大きくブレるリスクの高い塗料という印象です!
この結論に至るプロセスを写真つきでまとめています。
「見せてもらうか、りりえもんの新しい検証記事の性能とやらを!」
こんな気分でさくっとどうぞ!
今回の検証内容
▼今回比較する塗料は、Mr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢です。

▼使用する下地色は以下の5色となります。
- ブラック
- グレー
- ホワイト
- ピンク
- ブルー
▼使用するトップコートは以下の3種類となります。
- 光沢
- 半光沢
- つや消し
上記5色の下地の上に、Mr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢を塗布して隠ぺい力や発色の確認を行い、
トップコート3種類を塗布した際の見え方の変化について検証していきます!
今回検証する塗料・下地・トップコート詳細
下地・トップコートの希釈率や使用した塗料の詳細は以下の通りとなります。
- 検証する塗料
- サーフェイサー
- トップコート
Mr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢に使用した薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
今回使用したサーフェイサーは下記5種類となります。
薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
- ブラック
GS-03 サーフェイサーエヴォ ブラック - グレー
GS-01 サーフェイサーエヴォ - ホワイト
GS-02 サーフェイサーエヴォ ホワイト - ピンク
GS-07 サーフェイサーエヴォ パステルピンク - ブルー
GS-08 サーフェイサーエヴォ スカイブルー
今回使用したトップコートは下記3種類となります。
薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
- 光沢トップコート
Mr.HOBBY C46 Mr.カラー クリアー/光沢 - 半光沢トップコート
Mr.HOBBY C181 Mr.カラー スーパークリア半光沢 - つや消しトップコート
Mr.HOBBY C182 Mr.カラー スーパークリアつや消し
塗装方法、注意点
- 注意点
- 塗装方法
- 薄め液
■塗装環境
希釈率や吹き付け圧は、ご使用の塗料の状態や作業環境によって最適な設定が異なります。
ハンドピースの口径や使用するコンプレッサーの出力などにも差が生じるため、最終的にはご自身の環境に合わせて調整をお願いします。
仕上がりの違いを楽しみつつ、ご購入前の参考程度に観てもらえると幸いです。
■乾燥時間
当サイトでは作業効率を重視して、乾燥には山善YD-180を使用しています。
乾燥機を使用する事で常温乾燥の3倍程度の乾燥効果があると判断しています。
■サーフェイサー
下地は1コートですが、サンプルには透明スプーンを使用しているため透け感が出やすく、作業効率を重視して両面塗装で透けを軽減しています。
■Mr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢
以下の流れで2コート塗装しています:
・軽く砂吹き → 下地を覆うように重ね吹き → 艶出しを意識した本吹き
■トップコート
トップコートはいずれも1コートで仕上げています。
色味や隠ぺい力を比較するためのサンプル作成が主な目的なので、ホコリ等の配慮はあまりしておりませんでご了承ください。
あと、私は塗装が上手いわけではないので、多少のムラも温かい目で見ていただけると嬉しいです(震)
塗料メーカーごとに推奨されている薄め液はありますが、当サイトのサンプル作成では作業効率や乾燥速度を考慮し、速乾性の高いガイアノーツ製の薄め液を使用する場合があります。
使用塗料とは異なるメーカー製の薄め液を用いることもありますが、いずれも同じラッカー系溶剤であるため、色味や定着に大きな影響はないと判断しています。
トップコート前の比較
トップコートを塗布していない状態の1コート/2コートの比較・確認です。
ここでは主に塗料の発色能力や、乾燥時間による色味の変化を確認しています。
トップコート無し(1コート)
▼1コート塗装後3時間の状態です。
▼1コート塗装後24時間の状態です。
隠ぺいは弱めで、下地色の影響がはっきり表れています。
白が最も明るく、ピンクは鮮やか、グレーは落ち着き、黒・青ではワインレッド~プラム寄りに沈む傾向が見られました。
乾燥による変化は、全体的に暗さが増した印象です。
成分は非公開のため推測になりますが、
塗膜が光をある程度透過し、下地色を拾う”半透明寄りの設計”に感じられます。
白・ピンクなど明るい下地で艶が相対的に弱く見えるのは、
透過した光が下地で拡散して戻るため、鏡面ハイライトとのコントラストが下がるためと考えるのが妥当でしょう。
このタイプはトップコート時の色の動きが大きめです。
光沢で深み・彩度が伸びやすく、
半光沢~つや消しでは知覚彩度が一段落ち着くため、
仕上げの選択によって印象が大きく変わる点に注意が必要です。
トップコート無し(2コート)
▼2コート塗装後3時間の状態です。
▼2コート塗装後24時間の状態です。
2コートで色の密度は上がるものの、下地色の影響はまだ明確に残っています。
特に黒や青など暗い下地で“赤み”を強く出したい場合は、
積層をさらに重ねるか、設計そのものを変える選択肢を検討したいところです。
乾燥による明度の変化も大きく、
塗装直後と完全乾燥では印象が大きく変わるため、積層の止め位置を慎重に判断する必要があります。
重ねるほど色の密度(彩度感)は増しますが、
完全乾燥後にはやや落ち着く傾向がありますが、トップコートでも大きく表情を変えるため、
仕上げのトップコートとの組み合わせを前提に設計することが重要です。
■トップコートなしで仕上げる場合
目標よりわずかに明るめ/軽めのところで塗り重ねを止めると、
乾燥によって一段沈み、狙いの色味に寄せやすくなります。
■光沢・半光沢をかける場合
塗装直後はやや抑えめ(理想より半歩暗め・深さ控えめ)で止めると、
乾燥で沈む → クリアで鮮やかさと深みが戻る流れで、最終的に狙いに近づきやくなります。
■つや消しをかける場合
マット化で知覚彩度がさらに落ち着くため、
塗装直後は少し鮮やか寄りで止めておくとバランスが取りやすい。
※ 実際の着地は膜厚・希釈・環境でブレるため、
最終条件に近いテストピースで塗り止め位置を確認しておくと安心です。
トップコート後の比較
2コート24時間乾燥後の塗装サンプルに光沢/半光沢/つや消しトップコートを塗布した状態での比較・確認です。
▼光沢トップコート
▼半光沢トップコート
▼つや消しトップコート
■光沢トップコート
全体に明るさと光沢が一段引き上げられた印象です。
とくに白/ピンク下地の“光沢ジャンプ”が顕著に現れました。
トップコート無しの状態では、赤層を透過した光が下地で拡散して戻る拡散成分が多く、
ハイライトのコントラストが下がって艶が薄く見える傾向がありました。
光沢トップを重ねると、グレーズ効果が素直に効き、さらに”表面平滑化(屈折率マッチング)”で乱反射が減少。
戻り光がクリアになって、光沢感が一気に立ちあがると考えられます。
なお、この挙動は半透明寄りの赤で出やすく、
高隠ぺい色では変化が小さめな点に注意が必要です。
■半光沢トップコート
全体に映り込みはやわらぎ、明るさと深みのバランスある雰囲気に着地しました。
半光沢でもグレーズ効果は生きており、色密度は上がります。
ただし、マット剤と微細拡散で鏡面コントラストが抑えられるため、
光沢トップコートほどのジャンプは見られませんでした。
■つや消しトップコート
全体の反射が抑えられ、明るさ・鮮やかさは半歩トーンダウン。
白/ピンク下地は、トップ無しで艶が薄く見えていましたが、
つや消しでは光沢ジャンプは起きず、表面の微細拡散が主役になることで、クリア感より面の均一感に振れた印象。
半透明寄りの赤層を通った戻り光は、マット層で再び散らされるため、
光沢のように明るさが持ち上がる方向には働かず、落ち着いた赤に着地。
今回使用した塗料のリンク
▼Mr.COLOR C3 レッド(赤) 光沢

▼薄め液

▼サーフェイサー





▼トップコート



まとめ
Mr.COLOR C3 レッド(赤)光沢は、おそらく半透明寄りの赤で、下地・乾燥・トップコートでの動きが激しくかなりクセの強い塗料という印象です。
乾燥後に一段沈みやすく、トップ後の変化幅も大きいため、
”塗って終わり”ではなく、最終の見え方から逆算が必要な“設計前提”のクセ強めな塗料だと感じました。
使用時は、乾燥後/トップ後の着地点を見越して、塗り重ねと塗り止めを設計することが重要です。
とくに、光沢=戻り光+平滑化で明るく・クリア、つや消し=拡散優位で落ち着き・均一感という差を前提に進めると、狙いの色味に近づけます。
この比較が、みなさんの塗装ライフにちょっとしたひらめきを届けられたら嬉しいです。