
どうも、当サイト管理人のりりえもんです。
今回はMr.HOBBY/GSIクレオスから販売されているMr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)を使い、
5種類の下地色に塗装 → [光沢/半光沢/つや消し]でトップを重ねて、
発色と質感の違いや、乾燥による見え方の変化を検証しました。
私の主観になりますが、今回の検証での印象としては、
下地はあまり引っ張られないが、乾燥とトップで表情激変。ゴールの質感から逆算して塗装設計を。
この結論に至るプロセスを写真つきでまとめています。
「見せてもらうか、りりえもんの新しい検証記事の性能とやらを!」
こんな気分でさくっとどうぞ!
今回の検証内容
▼今回比較する塗料は、Mr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)です。
▼使用する下地色は以下の5色となります。
- ブラック
- グレー
- ホワイト
- ピンク
- ブルー
▼使用するトップコートは以下の3種類となります。
- 光沢
- 半光沢
- つや消し
上記5色の下地の上に、Mr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)を塗布して隠ぺい力や発色の確認を行い、
トップコート3種類を塗布した際の見え方の変化について検証していきます!
今回検証する塗料・下地・トップコート詳細
下地・トップコートの希釈率や使用した塗料の詳細は以下の通りとなります。
- 検証する塗料
- サーフェイサー
- トップコート
Mr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)に使用した薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
今回使用したサーフェイサーは下記5種類となります。
薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
- ブラック
GS-03 サーフェイサーエヴォ ブラック - グレー
GS-01 サーフェイサーエヴォ - ホワイト
GS-02 サーフェイサーエヴォ ホワイト - ピンク
GS-07 サーフェイサーエヴォ パステルピンク - ブルー
GS-08 サーフェイサーエヴォ スカイブルー
今回使用したトップコートは下記3種類となります。
薄め液と希釈率は以下の通りとなります。
薄め液 T-01 ガイアカラー薄め液
希釈率 1:2(塗料:薄め液)
- 光沢トップコート
Mr.HOBBY C46 Mr.カラー クリアー/光沢 H30 水性ホビーカラー クリアー/光沢 - 半光沢トップコート
Mr.HOBBY C181 Mr.カラー スーパークリア半光沢 H110 水性ホビーカラー 半光沢クリアー - つや消しトップコート
Mr.HOBBY C182 Mr.カラー スーパークリアつや消し H20 水性ホビーカラー つや消しクリアー
塗装方法、注意点
- 注意点
- 塗装方法
- 薄め液
■塗装環境
希釈率や吹き付け圧は、ご使用の塗料の状態や作業環境によって最適な設定が異なります。
ハンドピースの口径や使用するコンプレッサーの出力などにも差が生じるため、最終的にはご自身の環境に合わせて調整をお願いします。
仕上がりの違いを楽しみつつ、ご購入前の参考程度に観てもらえると幸いです。
■乾燥時間
当サイトでは作業効率を重視して、乾燥には山善YD-180を使用しています。
乾燥機を使用する事で常温乾燥の3倍程度の乾燥効果があると判断しています。
■サーフェイサー
下地は1コートですが、サンプルには透明スプーンを使用しているため透け感が出やすく、作業効率を重視して両面塗装で透けを軽減しています。
■Mr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)
以下の流れで2コート塗装しています:
・軽く砂吹き → 下地を覆うように重ね吹き → 艶出しを意識した本吹き
■トップコート
トップコートはいずれも1コートで仕上げています。
色味や隠ぺい力を比較するためのサンプル作成が主な目的なので、ホコリ等の配慮はあまりしておりませんでご了承ください。
あと、私は塗装が上手いわけではないので、多少のムラも温かい目で見ていただけると嬉しいです(震)
塗料メーカーごとに推奨されている薄め液はありますが、当サイトのサンプル作成では作業効率や乾燥速度を考慮し、速乾性の高いガイアノーツ製の薄め液を使用する場合があります。
使用塗料とは異なるメーカー製の薄め液を用いることもありますが、いずれも同じラッカー系溶剤であるため、色味や定着に大きな影響はないと判断しています。
トップコート前の比較
トップコートを塗布していない状態の1コート/2コートの比較・確認です。
ここでは主に塗料の発色能力や、乾燥時間による色味の変化を確認しています。
トップコート無し(1コート)
▼1コート塗装後3時間の状態です。
▼1コート塗装後24時間の状態です。
1コートの段階で自色の出方はしっかりしており、隠ぺい力は中程度以上。
下地差は黒<グレー≒青<ピンク<白の順で、明暗の違いはわずかに見える程度。
極端に下地に引っ張られるタイプではなく、塗膜の段階で色の芯がある。
乾燥を24時間置くと、トーンが一段上がり、全体が明るく“白っぽく”見える変化がはっきり出る。
色味の転調は小さく、オリーブの相は保ったまま、彩度がわずかに緩み、グレー寄りに見える印象。
これは、明度の上昇とコントラストの緩和による視覚的な変化と考えられる。
この明度変化の主因は、半光沢仕様の塗膜構造にあると推測される。
半光沢塗膜では、樹脂表面に微細な平坦化粒子(例:シリカ)が露出し、微細な凹凸面を形成することで鏡面反射を抑え、拡散反射を増加させる。
塗りたて(3h)では溶剤の残留と樹脂の未収縮により凹凸がまだ鈍く、拡散反射が十分に発生せず、相対的に沈んで見える。
24h乾燥では溶剤が抜け、樹脂が締まり、平坦化粒子が表面に露出して凹凸が整うことで、鏡面成分が減少し、拡散反射が増加。
その結果、入射光が広く散って返るため、見かけの明度が上がり、白っぽく感じられる。
さらに、乾燥で顔料・樹脂間の屈折率コントラストが立ち、微視的な散乱も増えるため、同じ理由で明るさ方向に振れやすい。
オリーブドラブは黄褐~緑系顔料に少量の黒を混成した“吸収寄りの色”なので、表面が拡散優位に振れると黒の吸収が相対的に目立ちにくくなり、結果として“明るく・ややグレー寄りに”落ち着く、という筋立てです。
さらに、乾燥によって顔料と樹脂の屈折率コントラストが明瞭化し、微視的な散乱も増加。
オリーブドラブは黄褐〜緑系顔料に少量の黒を混成した吸収寄りの色であるため、
表面が拡散優位に振れると黒の吸収が相対的に目立ちにくくなり、結果として“明るく・ややグレー寄りに”落ち着く。
トップコート無し(2コート)
▼2コート塗装後3時間の状態です。
▼2コート塗装後24時間の状態です。
2コートでは、積層によって顔料密度と塗膜の均一性が向上し、下地差はさらに小さくなる。
黒<グレー≒青<ピンク<白という並び自体は維持されるが、明暗の開きはごくわずかに留まり、視覚的にはほぼ均質な印象に近づく。
3時間乾燥時点では、1コートよりも濃度感が増し、やや沈んだダークオリーブに見える。
24時間乾燥を経ると、半光沢塗膜特有の拡散反射がしっかり立ち、見かけの明度が一段上がる。
彩度はわずかに緩み、色味はグレー寄りに落ち着くが、色相の軸は安定しており、オリーブの相は保たれている。
れは乾燥で溶剤が抜けて塗膜が締まり、
平坦化粒子が表面により露出・整列して鏡面成分が減り、拡散反射が増えるためで、
同時に顔料と樹脂の屈折率コントラストが明瞭化して微視的な散乱も強まるからだ。
2コートは膜厚と色の芯が整っているぶん、
こうした“濃さ優位→拡散優位”への重心移動が均一に表れ、色相のブレを抑えたまま「明るく・ややグレー寄り」にトーンアップする、という見え方になっている。
トップコート後の比較
2コート24時間乾燥後の塗装サンプルに光沢/半光沢/つや消しトップコートを塗布した状態での比較・確認です。
▼光沢トップコート
▼半光沢トップコート
▼つや消しトップコート
・光沢(C46)
全体的にトーンが一段沈み、色が締まって深いオリーブに見えます。
鏡面反射が強くなった分、非ハイライト部のコントラストが上がり、黒味が増した知覚。
暗く、深くなる方向の変化がメイン。
・半光沢(C181)
素地24時間乾燥よりもわずかに暗く変化。
C12の半光沢感よりもC182の光沢感が強いことが要因。
・つや消し
最も明るくグレー寄りに見えます。
鏡面成分が削られて拡散反射が優位になり、入射光が広く変えるため見かけの明度が上がる挙動。
色相は保ちつつ、彩度が一段緩んでマットな質感に最適化。
【どうして明るさが変わるのか(推察)】
C12オリーブドラブは黄褐~緑顔料に黒を少量ブレンドした吸収寄りの色。
この構成に対して、トップコートの反射構造が以下のように作用する。
・つや消し寄方向
拡散反射が増えることで、黒の吸収が相対的に目立たなくなる。
⇒明度が上がり、グレー寄りの印象に変化。
・光沢方向
表面が平滑になり、鏡面反射が増加。
⇒非ハイライト部の光が逃げ、暗く・深く見える。
この挙動は、
トップコートによる反射構造の違いが、吸収系塗料の見え方に直接影響する典型例。
色相はほぼ動かず、明度とサイドのバランスが反射構造によって再編成される。
今回使用した塗料のリンク
▼Mr.COLOR C12 オリーブドラブ(半光沢)
▼薄め液
▼サーフェイサー
▼トップコート
まとめ
Mr.カラー C12 オリーブドラブは、
隠ぺい力は“そこそこ”で少ない積層でも色の芯が立ち、下地の影響は軽め。
むしろ要注意なのは乾燥とトップコートでの見えの変化で、
素地乾燥でひと段明るく白っぽく寄り、さらにトップで光沢なら暗く・半光沢は微調整・つや消しは明るくと、反射構造に応じて明度と締まりが大きく動く。
つまり「下地より仕上げ工程の設計が決定打」。
最終質感(光沢/半光沢/つや消し)まで含めてゴールの絵を先に固め、そこから逆算して積層と乾燥時間を組まないと、狙いから外れやすい...
そんな素直だけど仕上げ依存が強いオリーブだと感じました。
この比較が、みなさんの塗装ライフにちょっとしたひらめきを届けられたら嬉しいです。








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